症状から選ぶ漢方薬

症状から選ぶ漢方薬

あなたの辛い症状はどれですか?

がん(免疫力向上)

病のとらえ方

漢方ではがんを消すことよりも、がんに負けない免疫力をつけることを第1に考えます。実は、人間の体には毎日のようにがん細胞が発生していますが、がんにならないのは免疫力によって、がんが増殖しないよう駆逐するシステムがあるからです。しかし、不摂生やストレス、発がん物質の多量摂取などにより、免疫システムの力が落ちるとがん化する力を止められなくなってしまいます。したがってがんの予防や消退には、免疫力を活性化することが重要なのです。

よく用いられる漢方薬

人参湯:胃腸を補い、免疫力を上げる。消化器系統をはじめ、幅広いがんに用いる。抗がん薬などで食欲のない場合にも効果的
十全大補湯:血液成分を補い、免疫力を上げる。幅広いがんに用いられるが、特に血液系統のがんに効果的。抗がん薬治療による白血球の減少や貧血などにも有効
温清飲:血液成分を補い、免疫力を上げる。抗がん薬の点滴による血管炎にも効果的
補中益気湯:脾胃を補い、気力を増し、免疫力を上げる。肺や消化器系統のがんに有効。体のだるさや疲れにも用いる
加味帰脾湯:白血病など血液系統のがんに効果がある。体力不足による、貧血、発熱症状や、悪性貧血、再生不良性貧血にも有効
六君子湯:水分代謝を改善し、胃腸を補い、強壮し、免疫力を上げる。抗がん薬による食欲不振や下痢などに効果的

すぐにできる養生法

糖化ストレス※1や慢性炎症※2などのがんリスクを健診で確認し、獣肉や乳製品を控え、主蛋白源を豆、魚、鶏にして、緑黄色野菜を多くとり、少肉多菜に。タバコを含む焦げた飲食物(終末糖化産物AGEs)を控え、熟眠を妨げる交感神経の緊張を軽減しましょう。
※1はHbA1c
※2は高感度CRPで確認できる。

『東洋医学おさらい帳』(じほう)より引用