症状から選ぶ漢方薬

症状から選ぶ漢方薬

あなたの辛い症状はどれですか?

更年期障害

病のとらえ方

漢方には「血の道症」という言葉がありますが、これは瘀血が原因となっておこる女性特有の不定愁訴を指し、更年期障害もこれにあたります。症状はほてり、冷えのぼせ、ホットフラッシュ、吹き出もの、疲労感、頭痛、動悸、肩こりなどさまざまですが、瘀血の影響で気の巡りが悪くなると、イライラや不安などの精神症状を伴うことが多くなります。また更年期以外にも、思春期、妊娠時、産後など婦人科系の働きの影響の大きい時期にこうした症状がみられることがあります。

よく用いられる漢方薬

桂枝茯苓丸/桃核承気湯:更年期障害の中でも瘀血が原因して起こる冷えのぼせやホットフラッシュに効果がある。頭痛、イライラ、肩こり、手足の冷えなどを伴うものによい。便秘や強いのぼせを伴う場合は桃核承気湯を用いる
加味逍遥散:更年期の精神不安に多く用いる。イライラ、めまい、心臓部の動悸、手足のほてり、赤ら顔、不眠、頭重、疲れやすいなどの症状があるものに
半夏厚朴湯:精神不安が強く、梅核気というのどのつまり感や空咳などがあるものに
桂枝加竜骨牡蠣湯:神経疲労しやすく、、不眠、イライラ、不安感があるものに
抑肝散:イライラして怒りやすく、ときに精神不安や不眠を伴うものに
甘麦大棗湯:感情の起伏が激しく、ヒステリーを起こしやすいものに。臍部付近の動悸を伴うのが特徴

すぐにできる養生法

夜ふかしや睡眠不足、深酒、喫煙を控えて、規則正しい生活を送りましょう。下半身を冷やさないようにすると、のぼせや顔の汗を減らせます。不安やイライラ感には1人で悩むより、友人や先輩、家族に話すことが大切です。瘀血を助長する食物は避けます。(月経痛・月経不順参照)また、瘀血を除くにはサフランやベニバナが効果的です。

『東洋医学おさらい帳』(じほう)より引用