漢方では糖尿病は、「消渇」(口が乾く病)の名で紀元前から認識されている疾患です。病の進行により、3段階に分かれます。初期は口が渇き、水分をとりたがります。食欲は普通で、小便はやや多く、泡立ちが多くなります。中期は空腹感が強く多食しますが、程度が進むとやせ始めます。口渇は初期よりはなはだしく、多飲し、尿量も泡立ちも増え、皮膚が徐々に黒ずみます。晩期では頻尿で尿量が多く、泡立ちもはなはだしく、甘く臭います。夜間排尿、手足のほてり、足腰の重だるさや痛みが見られます。痩せ方ははなはだしくなり、手足はどす黒く枯燥し、免疫力も落ちます。
五苓散:初期の口渇に。体内の水分バランスを改善する
柴苓湯:五苓散に小柴胡湯を合わせた処方。五苓散と同様、初期で口渇を訴える人に用いる。微熱や吐き気、食欲不振、胸脇部のはりを伴う人にもよい
白虎加人参湯:中期に。水を飲んでも治まらないのどの渇きを癒す。やせて疲れやすく、顔色が黒くなるものによい
八味地黄丸:晩期に、やせて手足が冷え、顔色が黒く、口やのどが渇き、尿の回数も量も多く、夜間排尿があるものに
六味地黄丸:八味地黄丸と同症状だが、手足の冷えが少なく、ほてる場合に
防風通聖散:中期で宿便があり、食欲旺盛で、小便が出にくく、血と水の代謝が悪く、肌が黒く熱感を伴うものに。運動不足で、肥満傾向、便秘体質の人によい
膵臓と肝臓に負担のある高カロリーな食生活と、ストレスによる熟眠不足を徹底改善します。次に筋肉量を維持・増加し、ストレッチを中心とした全身運動の習慣により標準体重を維持しましょう。ヤマイモ、エンドウマメが食養にお勧め。