症状から選ぶ漢方薬

症状から選ぶ漢方薬

あなたの辛い症状はどれですか?

疲労

病のとらえ方

漢方では体力がない原因を、気血の不足、腎の衰えなどと考えます。気血の不足は、後天の気生成の要となる脾胃の衰えで起きている場合が多く、まず胃腸の働きを正常にすることを目標にします。また、腎は先天の生命力をつかさどっており、腎の衰えは体力の衰えにつながります。この場合は腎の機能を高めることを目標にします。

よく用いられる漢方薬

十全大補湯:気血が不足し体力不足となっている場合。血液成分が薄く貧血するもの、手術後や長期の闘病などで気力、体力ともに消耗したものにも効果的
補中益気湯:胃腸が弱くて疲れやすく、特に気力がないという感じをもつものに
人参湯:冷え症で胃腸が弱く、食欲不振、下痢、吐き気などがあるものに
小建中湯:腹部の緊張を緩め、胃腸の機能を調え、滋養強壮する。虚弱体質改善、疲労回復などに用い、特に朝起きられない人に効果的
大建中湯:腹部が冷え、腸の働きが悪く、腹部膨満感、腹痛を訴えるものに
八味地黄丸:腎機能を高める作用があり、強精、強壮作用に優れる。冷え症で夜間排尿が多いものや、加齢による足腰の衰え、めまいや耳鳴り、尿もれなどを伴う場合にも効果的

すぐにできる養生法

アルコールやタバコをしばらくやめてみましょう。解毒機能の低下やビタミンB群などの不足の原因になっているかもしれません。また、お菓子、ジュースなどの糖質をやめてみましょう。
食養では、気力・体力不足の場合はスッポン、ニンニク、ニンジン、卵、鶏肉、牛肉の赤身など。腎機能が衰えている場合はドジョウ、ヤマイモ、ニラ、小エビなどがよいでしょう。ただしニラは食べ過ぎると下痢することがあるので要注意です。

『東洋医学おさらい帳』(じほう)より引用