漢方医学は、人間も自然の一部であるという哲学的な考え方から出発していて、人間を全体的、総合的に捉えようとしています。

望・聞・問・切（ぼう・ぶん・もん・せつ）という四診（ししん）による漢方独特の診断方法は、病名を発見するものではなく、「証（しょう）」という全身症状を見出すためのものです。つまり、なんとなく体がだるい、元気が出ない、肩がこる、不安になる、頭が痛い、手足が痺れる、体が冷えるなどなどの具体的な訴えひとつひとつが「証」となり、そして、「証」に従って漢方薬が処方されます。つまり、西洋医学的に病名のつけ難い症状に対しても漢方薬を処方することができます。

「証」に従って処方される漢方薬は、西洋医学的に同じ病名の人に異なった漢方薬が出たり、異なった病名の人に同じ漢方薬が出たりします。オーダーメード医療、それが漢方です。
　当薬局では、煎じ薬を中心に漢方薬をお出しします。漢方薬は、植物の野菜スープ、人間の体に不足しているものを補ってくれる植物に感謝して、ゆったりと煎じた漢方薬を味わっていただきたいです。