漢方薬局は敷居が高い? よくある漢方Q&A

漢方薬局は敷居が高い? よくある漢方Q&A

Q1.漢方薬局ってどういうところなの?

A1.
漢方の専門家が困っているご様子をしっかり伺って漢方薬を調合します。一般的な薬局やドラッグストアよりも入念なカウンセリングが特徴です。

Q2.どのような方が漢方薬局を利用しているのですか?

A2.
持病の治療だけではなく健康増進、西洋薬が体質的に合わない方など様々な方が利用しています。漢方の専門知識やそれに基づいたアドバイスへの期待も大きいです。

Q3.どんな病気や症状に良いの?

A3.
ほとんどあらゆる病気に適応できます。漢方薬の効果がとくに高い病気や症状を挙げてみます。
現代医学で病名がつけづらい症候群的なもの
  • 肩こり,腰痛,慢性頭痛,冷え症,のぼせ症,慢性便秘,食欲不振、夏ばて,虚弱体質,心身症,自律神経失調症、精力減退、低血圧、メニエール症候群、ロコモティブ症候群などの半健康状態。
  • ニキビ,肌荒れ,肌のくすみ、多発性のイボ,しもやけ,ひび,あかぎれ,湿疹,じんましんなどの皮膚疾患。
  • 血の道症,更年期障害,月経痛,月経不順,流産癖,原因不明の不妊症など,婦人特有の疾患。
現代医学では対症療法的な対応となり根本的な治療の難しい疾患
  • アトピー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎,花粉症、喘息などのアレルギー性疾患や、慢性関節リウマチなどの慢性炎症性の疾患。
  • 糖尿病、高脂血症、高血圧、痛風(高尿酸血症)、動脈硬化、胆石症、脂肪肝、肥満、メタボリック症候群などの生活習慣病。
  • 胃下垂、急性・慢性胃炎、機能性胃腸障害、逆流性食道炎、潰瘍性大腸炎などの消化器系疾患。
  • 慢性腎炎、ネフローゼ症候群、尿路結石など泌尿器系疾患。
  • 狭心症、心臓弁膜症などの心疾患、脳血管障害に伴う諸症状の改善と再発予防。
  • 不眠症、ノイローゼ、抑うつ、チック、精神不安などの精神症状。
  • 腰痛、座骨神経痛、三叉神経痛、肋間神経痛、帯状疱疹後の神経痛、五十肩など、筋肉や関節の痛み。
    ただ注意をしていただきたいのは、ある特定の薬がこれらの病気に対して特効薬のように効くわけではないということです。あくまでも漢方薬は、このような疾患の原因となった個々人の体質そのものを改善するのが目的ですから、病名が同じでも使われる薬は違ってきます。
自然治癒力を高め、快癒に導くもの
  • 手術前や手術後の体力低下、免疫力低下、気力の低下
  • がん手術の予後、抗がん剤使用にともなう免疫力の低下
  • 新薬の副作用などで現代医学の治療の適応が難しい場合
いくつかの症状が混在するために多くの薬を服用されておられる方
  • いくつもの病院から多くのお薬が出されている方、漢方では同じ証の症状かもしれません。
辛い症状があるが、原因不明といわれている方、現代医学の治療で効果が不十分な場合
  • 原因不明の頭痛、胃痛・下痢、動悸などで治癒の方法が分からない方
  • めまい・尿もれ・筋肉や関節の痛みなど現代医学の治療で効果が不十分と感じている方
美容やアンチエイジングにも、漢方は力を発揮します。
  • 化粧品では作れない、体の中から作る美肌づくり
  • ロコモティブ症候群の予防、泌尿器の衰えの改善などに力を発揮

Q4.どのくらいの期間のめばいいの?

A4.
漢方薬は、一般的に慢性疾患に用いるというイメージが強く、長期にわたって服用すると考えている方も多いようですが、そうとは限りません。急性疾患でも漢方薬のよく効くものがたくさんあります。特に、カゼなどは漢方の得意分野です。漢方薬を服用する期間は、その人の体質や病気の種類などによって様々ですが、一般的には、急性のものは比較的短期間、慢性のものはある程度長期間服用すると考えればよいでしょう。カゼや急な腹痛などであれば、服用後30分ほどで効き目が現れる場合もあります。また3-4日程度で症状が治まるようであれば、そのくらいの期間の服用でよいでしょう。慢性疾患の場合は、2-3か月から半年、一年と服用を続けなければならない場合も多くありますが、自覚症状が軽減されれば効果が現れていると考えてください。検査数値などにはすぐに変化が現れなくても、自覚症状に変化がみられたのちに、数値が改善される場合が多いようです。なお、症状が治まったように見えても、まだ服用を続けたほうがよい場合があります。とくにアレルギー疾患の場合には、症状が出なくなってから約1年から一年半ほどは完全に治ったとは言えません。いずれにしても、漢方薬を処方してもらっている医師や薬剤師とよく相談をし、服用期間を決めるようにしましょう。